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反射

2025. 11. 26

こんにちは。

たかはし指圧院の高橋です。

先日、野球観戦に行かれて「膝裏の痛み」「腰の痛み」が症状という患者様が来院されました。施術中に「刺激に対して無意識の反射」が見られました。カウンセリングの時に、特徴的な動作や反応はなく、可動域検査、触診などでも気になる反応や症状は見られなかったのですが、右下腿後面への指圧・マッサージをしていくと、疼痛の訴えはなく、緊張が入る反応が見られました。患者様に「痛いですか?」と確認するも、「特になし」と返答がある。何回か同様にしてみたり、強めにするも、足関節の背屈反射があり、微かに指が動くが開くようでない反応があった。痛みやこむら返りのような症状はなく、自身の自覚反応が少ないものでした。施術後、膝裏と腰の症状も改善して動作上問題なく、問いかけなどにも普通に応答があったが、症状に対して注意点を話して終わった。

「下腿後面の刺激に対して無意識に足関節の背屈反射があった」これを調べると、バンビンスキー反射やクローヌスなどが出てきます。共に中枢神経系の障害に起因する反応。今回は、検査では反応が見られないのと刺激に対して本人の感覚が弱い!?場合もあり、確実な理由がつかめなかった。

バンビンスキー反射やクローヌス、反射とは何でしょうか?

バンビンスキー反射とは、赤ちゃんの足底を踵から外側をつま先まで刺激すると足指が扇状に開きながら背屈する反応で、乳幼児期には正常な反応ですが、2歳以降の場合は錐体路障害(中枢神経の障害)になります。クローヌスは、足首や膝の関節がほんの少しの刺激でピクピクとリズミカルに何度も動いてしまう反応のことで、腱や筋肉が引き伸ばされる伸長刺激により、運動の抑制が効かなくなり、中枢からの刺激に対し過度の反応する状態です。上位運動ニューロン障害 (錐体外路障害)になります。

反射とは、刺激に対して無意識に反応が起こることです。物理的には光刺激に対しての反応。医学的には刺激に対する筋肉の反応となります。ここでは、「医学的には刺激に対する筋肉の反応」関してです。

医学的な反射とは、ある刺激を受容器が受けると求心路を介して、脊髄神経の反射中枢に運ばれて処理された情報を遠心路を通じて効果器となる筋肉へ伝達され収縮するという反応過程のことです。反射には、体性反射と自律神経反射があり、体性反射は深部腱反射と表在反射に分かれます。深部腱反射は膝蓋腱反射・上腕二頭筋反射・腕橈骨筋反射・上腕三頭筋反射・手指屈筋反射・アキレス腱反射・下顎反射などです。表在反射は皮膚や粘膜への刺激に対する反射で腹壁反射・精巣挙筋反射・足底反射・肛門反射などです。自律神経反射は内臓反射ともいわれ、交感神経や副交感神経を介して血圧や脈拍,発汗に胃腸の運動などをコントロールしており全身の状態を維持して生きるのに必要な反射です。頸動脈洞反射・圧発汗反射・対光反射などがあります。また、新生児期の中枢神経発達時に見られる反射に、把握反射・吸引反射・バンビンスキー反射などがあります。これは4歳頃までに無事発達すると自然に消滅する反射なのですが、4歳を過ぎても反射が残っている場合には、中枢神経系の錐体路障害が起こっていることがあります。これを病的反射といいます。他に、チャドック反射・オッペンハイム反射・口とがらし反射があります。