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股関節痛の原因として、変形・摩耗による場合には、骨盤の歪みから片側への偏荷重、肥満や運動による股関節への体荷重負荷、加齢によるなどから軟骨組織の変形や摩耗からの壊死が考えられます。骨折の場合では、骨粗鬆症の高齢者や女性に多く、転倒時による股関節の骨折による後遺症が考えられます。筋肉と腱・靱帯組織の付着部の炎症の場合、激しい動作時に股関節周辺の筋肉と腱・靱帯組織の付着部に負荷が加わり損傷し、炎症が起こることで痛みが生じる場合が考えられます。また、妊娠・出産時の骨盤の緩みなどの影響から股関節痛を生じたりします。先天性の異常からは股関節臼の構造的問題が影響して体重支持の不安定性から股関節痛が生じたりします。

股関節痛の痛む場所と症状は、鼠径部・骨盤・大腿・臀部・膝などの場所に痛みを生じます。症状としては、足の付け根の痛み・立ち座りが難しい・歩行時に足を引きずる・階段の上り下りが辛いなど、股関節の屈曲、股関節に荷重するなどの動作時に症状が生じます。

股関節の構造は、骨盤の両側にある寛骨の寛骨臼という部分に大腿骨骨頭がはまる形になっている球関節になっています。その周囲を靱帯・腱・筋肉がガッチリ巻き付いた安定した構造をしています。股関節と大腿骨骨頭の球関節は関節包で覆われており内側に滑膜があります。滑膜は滑液を分泌して関節包内を常に満たしています。軟骨同士のなめらかな動きを促すことや血管のない軟骨に栄養を与えています。股関節痛は、関節内部の軟骨部や骨部の変形や破壊により炎症が生じる。激しい運動などの動作時に股関節周辺の筋組織や腱・靱帯組織の付着部に炎症が生じるなどにより股関節痛が発症します。

股関節痛の代表的な疾患は、「変形性股関節症」、「慢性関節リウマチ」、「大腿骨頭壊死症」、「先天性股関節脱臼」、「大腿骨頸部骨折」などがあります。

股関節痛の治療は進行度により異なります。進行度に合わせて症状を見極めながら行うことが必要になります。 検査方法は、レントゲン・CT・MRIなどの画像診断により、骨組織や骨以外の腱・靱帯などの組織の状態を評価及び診断していきます。治療方法は、初期では保存治療になりますが、薬物療法・運動療法・温熱療法・装具療法などになります。進行して保存療法で対処できない段階になると手術療法になります。

薬物療法は、痛みや炎症を抑える塗り薬・貼り薬・座薬や鎮痛剤により鎮痛するようにします。運動療法は、関節への負担や衝撃を緩和する目的で行います。ダイエットや股関節周辺の筋肉を鍛えることで股関節への負担を軽減していきます。運動では負荷が大きいと悪化しやすいため、なるべく低負荷の運動がよく、水中ウォーキングやエアロバイクなどがお勧めです。温熱療法は、ホットパックなどで温めることで血行を良くして炎症の軽減が図れます。また、筋肉や関節の可動が良くなります。装具療法、骨盤の不安定性により歩行が行い難いなどの問題が出てきて、生活の質が落ちやすくなります。安定した行動が取りやすくなり、生活がしやすくなるために装具などを使用することをお勧めします。

手術療法は、骨切り術と人工股関節置換術などがあります。骨切り術は、骨盤や大腿骨など股関節周囲を骨切りし、角度を変えることで軟骨の傷んだ部分にかかる負担を軽減します。痛みの緩和や股関節症の予防が期待できます。人工股関節置換術は、股関節のすり減った軟骨と傷んだ骨を取り除いて人工関節に置き換える手術です。人工関節によって、今までの痛みが緩和され、股関節の動きが良くなることが期待されます。

股関節の痛みが酷く、なかなか痛みが治まらないなどが続く場合には、長く放置すると悪化する場合があるため、早めに医療機関で診断してもらうことをお勧めします。

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