院長直伝の健康心得

膝の痛み

膝の痛みは発症原因により変わります。関節の変形からくる痛み、炎症から起こる痛み、靱帯・腱・半月板の損傷による痛み、他の痛みによる関連痛の4 つに分けられます。

関節の変形からくる痛みでは変形性膝関節症、炎症から起こる痛みでは関節リウマチや痛風など、靱帯・腱・半月板の損傷による痛みでは側副靱帯損傷や膝蓋腱炎、膝蓋大腿靭帯炎、半月板損傷など、他の痛みによる関連痛では股関節痛や腰痛からの関連痛などの疾患が挙げられます。

膝の構造は、大腿骨・脛骨・膝蓋骨の3つの骨により構成されています。脛骨の上に大腿骨が載り、前方に膝蓋骨が膝蓋腱と大腿四頭筋腱に挟まれて位置しています。3つの骨が互いに接する側にはクッションとなる軟骨面があり、脛骨の上には大腿骨が転がる衝撃を滑らかにする半月板が外周に付いています。3関節周辺を関節包が包み、関節間や両側面に靱帯や腱がしっかり張り付いて安定しています。関節包内側には滑膜があり滑液を分泌し関節の動きを良くし、血管のない軟骨に栄養分を与えています。この構造機構に4 つの原因がもとで発症します。

変形性膝関節症は、大きな荷重が掛かることで軟骨が損傷して関節に痛みを生じます。関節リウマチや痛風は関節に炎症を引き起こします。自己免疫疾患により関節が免疫に破壊されること、尿酸値の上昇により軟骨の結晶化することで炎症を起こし痛みが生じます。そして、スポーツや外傷により靱帯や腱を損傷して靱帯炎や鍵盤炎による痛み、股関節痛や腰痛の影響で骨盤の歪みが生じて片側の膝へ極度な負荷が掛かることで関連痛が起きたりします。治療では、発症原因により変わるため、状態を把握して原因の確定が必要です。また、進行度に合わせて症状を見極めながら行うことが大切になります。

変形性膝関節症では、関節の接触により関節の破壊が起こり痛みが発症します。原因としては、加齢や肥満による筋肉の衰えや関節間の減少、O 脚やX 脚、靱帯・腱の損傷により関節が接触して軟骨のすり減りが生じるなどです。治療は進行状態にもよります。初期であれば、保存療法として運動療法と薬物療法です。保存療法で対処できなくなると手術療法となります。代表的な手術は、関節鏡視下手術・高位脛骨骨切り術・人工膝関節置換術になります。

関節リウマチは自己免疫疾患であり免疫細胞が細胞を破壊してしまう疾患です。痛風は尿酸値の上昇により軟骨の結晶化を起こします疾患です。共に炎症を引き起こして関節の痛みを発症させることになります。内科か整形外科で治療をお勧めします。運動や事故などの外傷により、靱帯・腱・半月板などが損傷を受けます。靱帯損傷では、保存療法と手術療法があります。損傷が酷くない場合は保存療法で、安定性が認められない損傷では手術療法が適応されます。半月板損傷では、保存療法と手術療法があります。半月板は出来る限り温存することが主流のため、半月板の損傷状態によります。状態が良い場合は保尊療法で経過を見て、動きの障害が見られる場合に、手術療法として切除術か縫合術を適応するようです。

頚椎症、五十肩、変形性頸椎症、更年期障害、高血圧症、低血圧症、狭心症、心筋梗塞、片頭痛、解離性大動脈瘤、肝臓疾患、胆石症、膵炎、脳出血、脳梗塞、パーキンソン病、視力障害、内耳・外耳などの炎症性疾患、副鼻腔炎、顎関節症、心身症、うつ病 など

股関節痛

股関節痛は、股関節の周辺筋肉や靱帯の損傷、骨や軟骨の不具合や変形などにより発症します。

股関節痛は、左右の鼠径部に痛みが同じタイミングで生じます。片側の場合は骨盤の歪みや先天性の異常からの場合、過去の怪我の後遺症や肥満などの体重を支える安定性の問題から生じる場合が考えられます。痛みの感じる箇所は、鼠径部・骨盤・大腿・臀部・膝などに生じます。股関節の構造は、骨盤の両側にある寛骨のお椀が型した寛骨臼という部分に大腿骨骨頭がはまる形になっている球関節になっています。その周囲を靱帯・腱・筋肉がガッチリ巻き付いた安定した構造をしています。股関節と大腿骨骨頭の球関節は関節包で覆われており内側に滑膜があります。滑膜は滑液を分泌して関節包内を常に満たしています。軟骨同士のなめらかな動きを促すことや血管のない軟骨に栄養を与えています。関節内部の軟骨部や骨部の破壊が生じ、炎症を起こして股関節痛が発症します。激しい運動時の筋肉や靱帯への損傷により股関節痛になる場合、加齢による骨粗鬆症、骨折や関節軟骨の損傷、肥満などによる体荷重による関節への負荷、下肢の外傷からの骨盤の歪みなどが原因になり関節の摩耗から変形や壊死による場合、先天性の場合では股関節臼の構造的問題で発症します。産後や婦人病からなることもあり、原因は何から発症するかにより異なります。股関節の痛みがなかなか「治まらない。」、「酷くなる。」など続く場合には、長く放置すると悪化するため、早めに医療機関で診断してもらうことをお勧めします。

代表的な疾患は、「変形性股関節症」、「慢性関節リウマチ」、「大腿骨頭壊死症」、「先天性股関節脱臼」、「大腿骨頸部骨折」などがあります。股関節痛の治療は進行度により異なります。進行度に合わせて症状を見極めながら行うことが必要になります。初期では保存治療になりますが、薬物療法、運動療法、温熱療法、装具療法になります。進行して保存療法で対処できない段階になると手術療法になります。

薬物療法は、痛みや炎症を抑える塗り薬・貼り薬・座薬や鎮痛剤により鎮痛するようにします。運動療法は、関節への負担や衝撃を緩和する目的で行います。ダイエットや股関節周辺の筋肉を鍛えることで股関節への負担を軽減していきます。運動では負荷が大きいと悪化しやすいため、なるべく低負荷の運動がよく、水中ウォーキングやエアロバイクなどがお勧めです。

温熱療法は、ホットパックなどで温めることで血行を良くして炎症の軽減が図れます。また、筋肉や関節の可動が良くなります。

装具療法、骨盤の不安定性により歩行が行い難いなどの問題が出てきて、生活の質が落ちやすくなります。安定した行動が取りやすくなり、生活がしやすくなるために装具などを使用することをお勧めします。手術療法は、骨切り術と人工股関節置換術などがあります。骨切り術は、骨盤や大腿骨など股関節周囲を骨切りし、角度を変えることで軟骨の傷んだ部分にかかる負担を軽減します。痛みの緩和や股関節症の予防が期待できます。人工股関節置換術は、股関節のすり減った軟骨と傷んだ骨を取り除いて人工関節に置き換える手術です。人工関節によって、今までの痛みが緩和され、股関節の動きが良くなることが期待されます。

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肩こり
(首こり)

肩こりは、首・肩・背中の筋肉の緊張が持続することで硬くなり、血行不良を起こすようになり乳酸などの疲労物質が溜まり神経を刺激することで重だるさや痛みが生じるようになります。

肩こりの原因としては、「同じ姿勢からくるもの」「運動不足からくるもの」「眼精疲労からくるもの」「ストレスからくるもの」「気温差からくるもの」などがあります。

「同じ姿勢からくるもの」としては、人間の頭はボーリングボール(5~6kg 程度) の重さに例えられますが、それを支える首・肩・背中の筋肉には負担がかかるため、長時間のデスクワークやスマホ、長時間運転などの座位姿勢、長時間の手や腕を動かす作業で同じ姿勢を保持すると肩こりになります。首・肩・背中の筋肉が緊張して血行不良を起こし硬くなり疲労が蓄積されることが原因です。肩こり予防には、長時間の作業の中に1 時間に1 回程度の休憩を入れることです。そして、立ち上がり、首や肩を回して筋肉の緊張を軽減する運動をお勧めします。また、日本人女性は基本的に男性よりも筋肉量が少ないため、身体が冷えやすいことから女性ホルモンの影響を受ける可能性もありエストロゲンの分泌が急激に減少しやすく、40代後半以降の女性は血管が硬化しやすいため、血行不良から肩こりを訴える人も増加傾向にあるようです。筋肉疲労以外に自律神経系への影響もあります。

「運動不足からくるもの」としては、運動不足になると筋肉量が減少して筋力低下を引き起こします。筋肉低下により筋肉の活動量や発熱量が減少し血行不良が起こり、筋肉繊維が硬くなり疲労物質が溜まり疲労しやすくなり肩こりを発症しやすくなります。適度な運動を維持していくことで筋肉量の低下を防ぎ、血流を改善し、柔軟性のある筋肉を維持していけます。

「眼精疲労からくるもの」としては、今ではスマホやPC の日常の使用頻度が多くなり、長時間使用している人がほとんどと思います。長時間目を使い過ぎると交感神経を優位にするため眼精疲労を起こしやすくします。眼精疲労が強くなると自律神経は首にも影響しているため、首の交感神経が優位になり血管収縮して筋肉が緊張してきます。この緊張が肩・背中などに影響して肩こりを起こすようになります。眼精疲労の予防には、スマホやPC の作業をやめて遠くを見るようにすることを、1時間に10分程度行うと目の機能が調整されてきます。また、完全に休めることもお勧めします。

「ストレスからくるもの」としては、現代社会では仕事や人間関係からくるストレスから身体に緊張を強いられる場合が多いと思います。仕事や人間関係などでのストレスでは、肉体的・精神的なストレスがあり緊張が持続して肩こりを起こすことがあります。予防にはストレスを溜めない。持ち越さないことです。仕事などから解放されたときには、趣味や休暇を楽しむ、運動をしてストレスを解消することなどをお勧めします。

「気温差からくるもの」としては、最近では四季を通して気候変動が大きいことから身体に緊張を強いられる場合が多いと思います。人間には気候変動により発汗調節や体温調節などの機能があります。自律神経が調整していますが、夏の猛暑や冷房の冷風により自律神経が乱れると血行が悪化し、疲労しやすくなり、筋肉が硬くなることで肩こりを起こしやすくなります。予防には、適度に体温調節することや栄養補給をすることをお勧めします。肩こりが重症化すると「頭痛や吐き気」「自律神経失調症」を引き起こす場合があるので、我慢せずに早めに対処しましょう!

肩こりには隠れた病気が原因の場合もあります。この場合には速やかに医療機関の診察をお勧めします!

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ギックリ腰

ギックリ腰は病名ではなく、急に起きる腰の痛みのため「急性腰痛症」といわれているようです。

「重い物を持ち上げようとしたとき」「くしゃみをしたとき」「下に落ちた物を拾おうとしたとき」「少しお辞儀をしたとき」「立ち上がろうとしたとき」などの動作がきっかけで起きることがあります。瞬間的に急に生じる強い痛みが特徴で、「脂汗をかくほどつらい」や「起き上がれないほどの激痛を伴う」などがあります。

痛みなどの症状は、おおよそ数日から10日程度で治まるといわれています。痛みが2 週間以上続く場合は、別の椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、腰椎分離症など他の原因が隠れている可能性があるため、整形外科を受診することをお勧めします。

関節や軟骨(椎間板)に通常より大きい力が掛かることで起こった捻挫や椎間板損傷のような状態、腰を支える筋肉や腱・靱帯などの柔らかい軟部組織の損傷などが多いと考えられます。下肢に痛みやしびれがあったり、力が入らないなどの症状があったりするときには椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの可能性もあります。また、がんが転移して弱くなった背骨の骨折など重大な原因が潜んでいることもあります。普通でない強い腰痛のときは整形外科を受診して正しい診断をしていただく必要があります。

ギックリ腰の治し方としては、医師の指示に従ってください。それ以外では、マッサージなどはせずに痛みが楽になる状態を取ることが先決です。なるべく動かないことが痛みを和らげる早道です。どうしても動くときにはコルセットで安定させた状態にしてからが良いです。痛みが激しい時期は炎症しているので風呂などで温めるのは避けて冷湿布などで冷やすのが良いです。痛みが治まり始めたら状況により温めることもお勧めします。

また、身体が動かせるようになったら、徐々にストレッチや軽い運動を始めていき負荷も上げていきましょう。無理は禁物です。

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生命維持

私たちは生命維持のために酸素・水・栄養と睡眠などが必要になります。外部環境や人体内部の変化に対して生理機能により内部環境を一定に維持しています。

体温、体液、血流・血圧、血糖値、エネルギー代謝、呼吸や免疫などの生理機能の調整が、生体内では間断なく行われて生命維持がなされています。これらの機能が維持できなくなると、不定愁訴などの障害がでてきます。

生理機能を維持するためには、内分泌系や自律神経系、免疫系などが上手く機能する身体であるために健康であることが必要です。

「バランスの良い食事を摂るなど日常生活の充実」、「適度な運動」、「規則正しい生活」、「人とのコミュニケーションを取る」などして日常生活の質をよくすることが大切です。

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腰痛

腰痛はギックリ腰のように病名ではありません。怪我などの外傷以外に日常生活習慣やストレスなどからの要因が絡む症状です。

そんな広い原因の中で特定できる腰痛のことを特異的腰痛といいます。特異的腰痛には、椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、骨粗しょう症などで脊椎の神経が圧迫されて痛み・脚の筋力低下・しびれを伴う症状です。そして、筋筋膜性湯痛という急激な運動により筋肉の筋膜が傷ついて痛み・脚の筋力低下・しびれを伴う症状もあります。

これら以外の腰痛は非特異的腰痛といい、日常生活習慣やストレスなどからの要因、女性の生理的などの症状が要因です。また、腰痛の症状がありながら、隠れた病気が引き金になっている場合があります。その場合は医療機関を受診して正しい診断を受けることをお勧めします。

腰痛になったときの処置としては、「特異的腰痛の場合」又は「痛みが尋常でない場合」は医療機関を受診して正しい診断を受ける必要があります。「非特異的腰痛の場合」はセルフケアで問題はないですが、判断に迷う場合は医療機関に相談することをお勧めします。

セルフケアとしては、初期の痛みが酷い時期にはできるだけ身体を動かさずに、楽な姿勢が取れるようにします。それでも動かないとならない時はコルセットなどで固定して動作を取るようにすると良いです。また、炎症があるため、温めないで冷却するほうが良いので、風呂は避けて鎮痛剤や冷湿布などで冷やすようにします。痛みが治まり始めて身体が動かせる段階では温めても良いでしょう。

また、徐々に体は動かすようにします。ストレッチや軽めの運動から始めて徐々に負荷を掛けていくと良いです。

腰痛のケアには、デスクワークや疲労を残さないことが先決です。長時間の姿勢や労働などでは、間に休憩を取り背伸びやストレッチなど行い筋肉緊張緩和をして、筋肉疲労を残さないようにすると良いです。

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