院長直伝の健康心得
胆石症
胆石症は、肝臓で生成された胆汁が、胆管や胆嚢管を通る間、または、胆嚢内に滞留している間に結石ができる病気です。痛みや発熱などの症状が起こります。

胆石症は、胆汁が結石になったものが、胆管や胆嚢内を詰まらせることから発症します。胆汁は肝臓内で生成されて、「肝内胆管」という肝臓内の胆管を通り、肝臓から出ると、「胆嚢管」との合流までの胆管で「総肝管」を通ります。そして、総肝管から胆嚢管に入り「胆嚢」で一時的に貯蔵されます。貯蔵されて濃縮した胆汁は、食事により、胆嚢から絞り出されて胆嚢管を通り「総胆管」に入り、十二指腸で分泌されます。この経路の間に結石ができて、胆道内を詰まらせることが原因です。また、場所により、肝内胆管では「肝内胆管結石」、総肝管では「総肝管結石」、胆嚢管では「胆嚢管結石」、胆嚢内では「胆嚢結石」、そして、総胆管では「総胆管結石」と呼ばれます。
胆道で出来る結石を胆石と呼びますが、胆汁の成分が結晶化したものです。胆汁の役割は小腸での脂肪の消化になりますが、肝臓で1日に1リットルほど生成されます。成分はほとんどが水分で、ビリルビン、コレステロール、胆汁酸塩などで、胆嚢内では、貯蔵されている間に水分が吸収されて5~10倍ほどに濃縮されます。胆汁は、食事により体内に入った食べ物が十二指腸に来ると、胆嚢の筋肉が収縮して絞り出されて総胆管から十二指腸に運ばれて分泌されます。そして、脂肪の消化を助けます。この胆汁が胆石になる原因は明確に判明されてないようですが、胆汁の濃縮される過程で成分バランスが乱れること、細菌感染により成分が分解されること、胆嚢の機能低下などにより結晶化して胆石ができます。コレステロール結石や色素結石などがあり、様々な要因が関与するようですが、特に体質や食生活に原因があるようです。
胆石の原因は、主に体質や食生活にあるようですが、特に一般的なものが「コレステロール結石」で、コレステロール摂取過剰が原因により胆嚢内で出来ます。肥満症の方がなりやすく、最近では、食生活の欧米化により若年層にも見られるそうです。胆管内で出来るものが「ビリルビン結石」で、胆管炎や細菌感染などでビリルビンの結晶化により出来ます。
胆石による症状は、胆嚢内に胆石が溜まる「胆嚢結石」では、無症状の方も多いですが、コレステロール過剰な食事により、胆汁が胆嚢の収縮により出ると同時に胆石も出ようとして胆嚢の出口や胆嚢管に詰まり、胆嚢が大きく膨れ上がることで症状が起きます。症状は、右季肋部痛や右腹部上部痛になり、背中や肩に抜けるような放散痛を伴うこともあるようです。胆嚢結石の症状は、胆石が自然に外れる場合や薬により外れる場合には治まるようですが、詰まった状態が持続すると、胆嚢で炎症が起こり「急性胆嚢炎」となります。更に細菌が増殖したりすると、敗血症や腹膜炎のリスクが出てくるようです。次に、胆石が胆管に詰まる場合です。肝臓内の胆管に胆石が溜まる「肝内胆管結石」と胆嚢から排出した胆石が、胆管や十二指腸乳頭を詰まらせる「総胆管結石」があります。胆石が胆管を塞ぐことで胆汁が出れなくなり血管中に貯まり、皮膚や白目部分に黄疸が見られます。胆汁成分でビリルビンの色素が黄色いために起きる現象です。そして、胆管内で細菌が増殖して胆管炎を起こし、肝臓から血液に拡がり、肝障害や敗血症、閉塞性化膿性胆管炎などのリスクが出てきます。症状は、黄疸と炎症による右季肋部痛や右腹部上部痛や発熱です。胆石症の症状が出ると、胆管炎などのリスクがあり、短時間に重篤な状態になるため、黄疸や右季肋部痛、右腹部上部痛、発熱が出た場合は、早急に病院の受診が必要です。また、胆管結石では無症状の場合もあり、検査時に発見ということがありますが、医師の指示に従う必要があります。
胆石症の検査と治療では、検査では血液検査と画像検査があり、血液検査では、胆石発作に伴い、炎症反応や肝酵素や胆道系酵素の上昇や、黄疸や急性膵炎によりビリルビンやアミラーゼの上昇が見られることで胆石の症状を認められやすく。画像検査では、MRI検査・造影CT検査・超音波内視鏡検査などにより胆石の状態を確認できるようです。胆嚢結石の治療では、内服薬による胆石溶解療法・開腹胆嚢摘出術・腹腔鏡下胆嚢摘出術があります。総胆管結石の治療では、内視鏡的胆管結石除去術・経皮経肝的治療があります。
結石のある場合でも無症状な状態はありますが、右上腹部の強い痛みが出現したら、すぐに病院を受診しましょう。
頚椎症、五十肩、肩こり/首こり、更年期障害、高血圧症、低血圧症、狭心症、心筋梗塞、片頭痛、解離性大動脈瘤、肝臓疾患、胆石症、膵炎、脳出血、脳梗塞、パーキンソン病、視力障害、内耳・外耳などの炎症性疾患、副鼻腔炎、顎関節症、心身症、うつ病、耳鳴り、膝の痛み、股関節痛、ギックリ腰、腰痛、生命維持、痛風、尿路結石 など