院長直伝の健康心得

高血圧症

高血圧症は、
血圧が慢性的に高い状態のことをいいます。

高血圧症

高血圧のWHO基準値は、診察室で「最高血圧140mmHg以上、または、最低血圧90mmHg以上」、家庭血圧で「最高血圧135mmHg以上、または、最低血圧85mmHg以上」とさています。

血圧は、心臓から送り出される血液が血管壁に掛かる抵抗のことをいいます。「血圧=循環血液量×末梢血管抵抗」という式から、循環血液量(心臓から拍出される血液量)と全末梢血管抵抗(細い動脈の収縮の程度)に左右されます。そして、体内の腎臓・神経系・内分泌系・血管内皮などで血液成分が管理され、血圧が調整されています。そのため、「朝に上がり始め、昼に高くなり、晩・睡眠時に低くなる。」また、「夏場より冬場に高くなる。」などのように、日常の体調に合わせて調整されています。

血圧測定は、心臓が収縮した時の血圧で「最高血圧又は収縮期血圧」と、心臓が拡張した時の血圧で「最低血圧又は拡張期血圧」との差で血管の弾力性を確認することで血圧を測定することができます。この差のことを「脈圧」といいます。この値が高くても低くても動脈硬化のリスクが高まります。脈圧が高い場合を収縮期高血圧といい、最高血圧が高く、最低血圧が低い時です。血管壁の弾力性がない状態なので、心筋梗塞や脳血管疾患のリスクが高まります。また、脈圧が低い場合は拡張期高血圧といい、最高血圧が低く、最低血圧が高い時です。血液を末梢まで送れなくなるため動脈硬化が進行するリスクが高まります。この場合、正常血圧の人と差がなく、自覚症状も少ないため、徐々に進行していきます。放置すると危険な状態になるため注意が必要です。正常血圧は、診察室で「最高血圧120mmHg以下、あるいは、最低血圧80mmHg以下」で、家庭血圧で「最高血圧115mmHg以下、あるいは、最低血圧75mmHg以下」とされ、一般的に脈圧は40mmHg~60mmHgが良いといわれています。

高血圧症は、「本態性血圧」と「症候性血圧」に分けることができます。 「本態性血圧」は、原因疾患を伴わずに、血圧が慢性的に高い又は低い場合です。血圧症(高血圧と低血圧)の約90%がこれに入ります。なりやすい人は、遺伝的因子や生活習慣などの環境因子が関与しています。 高血圧の人では、運動不足・過剰飲酒・喫煙・精神的ストレス・自律神経異常などの傾向があります。 「症候性血圧」は、体の中に血圧異常の原因となるはっきりした疾患がある場合で、高血圧の人では、腎実質性高血圧・腎血管性高血圧・睡眠時無呼吸症候群・原発性アルドステロン症・クッシング症候群・褐色細胞腫・薬剤性高血圧などで起こります。

高血圧症が原因で起こる病気は、動脈硬化の進行により血管の弾力性がなくなることで、脳出血・脳梗塞・大動脈瘤・腎硬化症・心筋梗塞・眼底出血などが起こります。

高血圧症の予防・改善には、「食事制限」・「禁煙」・「運動(有酸素運動)」・「安静と充分な睡眠」が必要です。「食事制限」では、炭水化物・脂質の摂り過ぎにより「肥満」になりやすく、アルコールの飲み過ぎなどで血圧を上げ、動脈硬化などの原因を作っています。このような人たちの食事から塩分摂取も多いです。食事や飲酒の制限により血圧を下げることが大切です。「食事制限」では、塩分と炭水化物を減らすことで血圧の改善が期待できます。カリウム・カルシウム・マグネシウム・食物繊維・タンパク質の摂取は有効です。ミネラル分は減塩効果が期待できるので血圧を下げるのに良いです。また、炭水化物が不足すると筋肉が消耗するため、タンパク質の摂取で筋肉の維持や合成に役立ち、炭水化物の摂取を減らすことにも影響します。「運動」をすることで血流を良好にすることができて血圧を下げることが期待できます。そして、「安静と充分な睡眠」は、副交感神経を優位にするためストレスや緊張を和らげるため、血圧を下げる効果があります。また、寒暖差や入浴などでも血圧や血管への影響があるため、急激な温度や温度変化にも気を付ける必要があります。

普段の生活で、血圧が高い状態が続くようであったり、頭痛・めまい・肩こり・吐き気・動悸・息切れ・手足のしびれなどが続き、気になる場合には、医療機関を受診することをお勧めします。

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