院長直伝の健康心得
心筋梗塞
心筋梗塞は、三大死亡疾患の心疾患になります。狭心症と共に虚血性心疾患に含まれます。心臓の冠動脈の血流が詰まらせて心筋の栄養が滞ることで、激しい胸の痛みなどに襲われ死亡に繋がる病気です。

冠動脈の血流が遮断される原因は動脈硬化です。動脈硬化は、冠状動脈の血管壁内にアテロームが溜まり、肥厚してプラークという瘤ができ、血管内が細くなり弾力性が失われた状態のことです。更に、血管壁が破れて血管内にアテロームが漏れて血栓となり血液を詰まらせ栄養の滞りが起こり、心筋の壊死が進み心筋梗塞になります。
心筋梗塞の症状は、特に脂汗が出るほどの激しい胸の痛みです。30分以上続きます。呼吸が苦しい・冷や汗が出る・吐き気がするなどの訴えや、顔面が蒼白・脱力感・動悸・めまい・失神・ショック症状が出るなどの場合もあるようです。痛む場所は、主に胸の中央部から胸全体にかけての痛み、左胸から顎のあたりの痛み、背中の痛み、左肩から左腕にかけて痛みが広がるなどがあるようです。このため、心臓からくる痛みでなく、胃痛や歯痛などに間違えやすい場合があります。早期に治療をして助かる確率は、発症後、6時間以内に治療開始できれば、9割ほどの方が助かるといわれています。
心筋梗塞になる要因は、高血圧・肥満・糖尿病・高脂血症・高尿酸血症・ストレス・喫煙などの生活習慣病の悪化による場合や遺伝です。発症リスクのある人は、これらの要因が複数ある人に起きやすく、男性なら50歳以上、女性なら60歳以上の人に起きやすいそうです。女性の心筋梗塞になる率が10歳遅いのは、閉経後の女性ホルモンの変化が影響するからだそうです。
心筋梗塞の予防には、動脈硬化を起こさないために、「バランスの良い食生活」、「運動や睡眠により疲労やストレスを溜めない」、「禁煙により身体への負担をへらす」などの生活習慣病をなくすことが必要です。食事では、過剰な塩分・動物性脂肪・糖質を制限することが必要です。タンパク質・脂質・糖質・ビタミン・食物繊維・ミネラルをバランス良く摂る食生活をすることや、規則正しく1日3食をしっかり摂取して間食を減らすことです。コレステロール値や尿酸値を抑えて、食の質を上げることができます。運動では、ジョギングや歩行などの軽運動を習慣とすることにより、筋肉量を上げる・血行を促進・身体の新陳代謝を上げるなどの効果に繋がり、身体の故障をなくすことができます。そして、健康な身体の維持に役立ちます。睡眠では、良質な睡眠を摂ることで、日頃の疲労や精神的なストレスを溜めないようにすることができます。禁煙では、喫煙による肺や内臓への負担を減らすことができます。
心筋梗塞には、いくつかの検査と治療があります。検査には、心電図・血液検査・画像検査があります。また、治療では、急性心筋梗塞で、初期治療・再灌流療法・合併症の治療という段階的な方法で行われるようです。 検査は、早期発見、迅速な診断と治療のために不可欠です。心電図では、心筋梗塞の症状が出た時に、胸部・手首・足首に電極を付けて、心臓の電気的な活動をグラフに記録することで典型的な波形の変化が見られます。血管の詰まった箇所や範囲が推定できます。血液検査では、心筋梗塞が起こることで心筋が壊死すると、心筋細胞からさまざまな酵素が血液中に漏れ出すため、これらの酵素の濃度を測定することで確認できます。検査の種類としては、クレアチンフォスフォキナーゼ・CK-MB・トロポニン・BNPがあります。画像検査では、胸部X線検査・心エコー検査・心筋シンチグラム検査・冠動脈造影検査があります。胸部X線検査は、X線を当て心臓の画像を得る検査です。心エコー検査は、超音波を使って心臓の状態を探るものです。心筋シンチグラム検査は、体内に注入した放射性同位元素を標識とし、血液の流れを計測するコンピュータ断層撮影です。冠動脈造影検査は、冠動脈に造影剤を流し込み、X線撮影する検査です。
治療方法では、まずは最初に初期治療は、医療機関に搬送されて、検査と並行しつつ最初に行なわれる治療です。酸素吸入、静脈ラインの確保・胸の痛みのコントロール・心筋の保護・抗血栓治療・不整脈対策などが行われます。次の再灌流療法は、心筋梗塞が起こったら、一刻も早く血管の詰まりを取り除き、血液を再開通させる作業のことです。発症してから6時間以内に行なえば、梗塞した範囲が小さくなることが確認されているようです。 再灌流療法には、血栓溶解療法とカテーテル・インターベンション・冠動脈バイパス手術があります。合併症の治療は、心筋梗塞では、不整脈・心不全・心原性ショック・心破裂などの合併症も考えられるため、血液を再開通させるだけでなく、合併症に対しての対応も必要になります。 手術後にはリハビリがあり、「心臓リハビリテーション」という、段階的に安静度を下げてゆく中で、血圧測定と心電図検査を行ない、回復具合をモニターしながら行うリハビリ過程があります。退院後も通院しながら継続していきます。「自力で座れる」、「室内が歩ける」、「病棟内が歩ける」、「シャワーを使える」、「入浴できる」、といった段階を踏んで再起に近づけていきます。その間に、心筋梗塞を発症してから2週間から数カ月後に、発熱、胸の痛み、心膜炎、胸膜炎、肺炎などの症状が出る可能性があります。「心筋梗塞後症候群」と呼ばれる後遺症で、この後遺症に対して、医師よりアスピリンなどが処方されるようです。
心筋梗塞の治療薬には、血液をサラサラにするお薬やコレステロールを下げるお薬、心臓の負担を減らすお薬、利尿薬などが使用されます。 血液をサラサラにするお薬は、血液が固まることで血管が詰まる又は狭くなることへの予防目的として使用されます。バイアスピリン・バナルジン・プラピックス・エフィエイトなどの 抗血小板薬があります。ステント留置治療を受けられた場合には、ステント部位に血の塊ができて血管が細くなる場合の予防目的として、これらの中から2種類が使用されるようです。 コレステロールを下げるお薬は、血液中のコレステロールが多くなることで、血管が詰まる又は狭くなることへの予防目的に使用されます。 スタチンは、コレステロール合成酵素であるHMG-CoA還元酵素を阻害することにより、血中のコレステロールを低下させます。クレストール・メバロチン・リバロ・リピトール・ローコールがあります。 フィブラート系は、中性脂肪が作られるのを抑制する。ベザトール・リピディルがあります。 小腸コレステロールトランスポーター阻害剤は、小腸でのコレステロールの吸収を阻害する。ゼチーアがあります。 多価不飽和脂肪酸は、小腸でのコレステロールの吸収を阻害する。エパデール・ロトリガがあります。 心臓の負担を減らすお薬は、壊死した心筋は収縮する力がないため心臓の働きが悪くなります。血管の拡張作用を弱めて心臓の負担を減らす目的で使用します。 アンジオテンシン変換酵素阻害薬は、血圧や心臓、腎臓に関係するアンジオテンシンというホルモンを減らすことにより血管を拡げ、心臓にかかる負担を軽減する。タナトリル・レニベースがあります。 アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬は、アンジオテンシンⅡが受容体に結合するのを妨げることにより血管を拡げ、心臓にかかる負担を軽減する。アジルバ・アバプロ・オルメテック・ディオバン・ニューロタン・ブロプレス・ミカルディスがあります。 β遮断薬とαβ遮断薬は、主に心臓への交感神経の作用を抑えて働きを少し休めることにより、心臓にかかる負担を軽減する。β遮断薬はメインテートがります。αβ遮断薬はアーチストがあります。
心筋梗塞になったら、すぐに救急搬送をして一刻も早く治療が受けられることです。
頚椎症、五十肩、肩こり/首こり、更年期障害、高血圧症、低血圧症、狭心症、心筋梗塞、片頭痛、解離性大動脈瘤、肝臓疾患、胆石症、膵炎、脳出血、脳梗塞、パーキンソン病、視力障害、内耳・外耳などの炎症性疾患、副鼻腔炎、顎関節症、心身症、うつ病、耳鳴り、膝の痛み、股関節痛、ギックリ腰、腰痛、生命維持、痛風、尿路結石 など